キャッシュレス社会化に伴い、キャッシュレス決済の方法が大きな注目を浴びています。
今までメジャーだったクレジットカードに加え電子マネーやデビットカードが登場し、更には最近中国で人気のQRコード決済が日本に輸入されてきました。
種類があってわかりにくい・・・そんな声も聞かれそうなぐらい色々な方法があります。
今現在日本でどのようなキャッシュレス決済手段があるか解説して行きたいと思います!
キャッシュレス決済の種類
キャッシュレス決済はいくつかの種類に分類出来ます。
大きく違うのは決済タイミング、つまり実際にはいつお金を支払っているのかです。
プリペイド (事前決済) |
電子マネー(Suica・PASMO・楽天Edy・nanaco・waon・iTunesカード・Amazonギフト券等) |
---|---|
リアルタイム (即時決済) |
デビットカード(Visaデビット・JCBデビット・Jデビット等) |
ポストペイド (後払決済) |
クレジットカード・電子マネー(iD・QuickPay)・携帯電話まとめて支払い系(doocmo・au・Softbank) |
表を見れば分かる通り、決済方法は大きく分けて3種類。
- プリペイド(事前決済)
- リアルタイム(即時決済)
- ポストペイド(後払決済)
先述した通り「いつ支払うのか」によって分類分け出来ますね。
それぞれ解説して行きたいと思います。
プリペイド(事前決済)
事前にお金を払って任意のタイミングで利用をする方式のプリペイドには主に電子マネーが挙げられます。
特にJR東日本が提供するSuicaや私鉄で使えるPASMOは利用している方も多いのではないでしょうか?
事前にチャージをして、
- 電車やバスに乗る時
- コンビニで買い物をする時
と言ったように自分が使いたい!と思ったタイミングで使う方式です。
このプリペイドは自分がチャージした金額までしか使えないので、例えば1ヶ月のお小遣いを月初めにチャージしてその中でやりくりする、と言ったような使い方に適しています。
最近ではお子さんのお小遣いをSuicaに入れて渡している、という例もチラっと聞きますね。
ただし主要な電子マネーはチャージに上限金額があるので、お店側で対応していても高額商品を買うというような利用には適していません。
Suica | 2万円まで |
---|---|
PASMO | 2万円まで |
楽天Edy | 5万円まで |
nanaco | 5万円まで |
waon | 5万円まで(初期値2万円、変更手続きが必要) |
主要な電子マネーの上限金額をまとめてみました。
交通系電子マネー(Suica・PASMO)は2万円まで、その他は5万円までというところが多いようです。
見て頂ければ分かるように、例えばプリペイド電子マネーを利用して10万円のテレビが欲しい!というのは出来ないようですね。
- プリペイド電子マネーは事前決済
- 主に少額決済用
リアルタイム(即時決済)
即座に口座から使用金額分が引き落としされる形式をリアルタイムペイドと言い、その代表格が最近少しずつ浸透して来ているデビットカードです。
デビットカードは銀行が口座に紐づけて発行しており、使い方はクレジットカードと共通です。
お店側ではクレジットカードとして扱いますので、支払い方法を伝える時は「カードで」と言えばOK。
わざわざ「デビットカードで」と言う必要もありません。
特徴としてはクレジットカードと違い即時引き落としなので、例えば3回払いやボーナス一括払い、リボ払い等の使い方は出来ません。
一部の例外を除き、使った瞬間口座から引き落とされるので家計管理もしやすい方法です。
デビットカードは日本国内において主にクレジットカードの国際ブランドであるVisa、またはJCBのインフラを使って提供されている為、デビットカードと聞いて大半の方が銀行発行のVisaやJCBのロゴがついたカードをイメージするかと思います。
が、日本独自の「Jデビット」という決済方法があり、大手の銀行では大半が使える・・・はずなんですが全く普及していないので多分店頭で店員さんに「Jデビットで」と言ってもVisaやJCBのデビットカードと間違われるか、「なんですかそれ?」と聞き返される可能性すらあります・・・笑。
VisaやJCBのデビットカードは大手都市銀行全てで発行されていますし、楽天銀行やジャパンネット銀行、住信SBIネット銀行、ソニー銀行と言ったネットバンクも発行しています。
クレジットカードと違いほとんどが15歳以上、または16歳以上から発行出来ますので義務教育が終わっていれば持てるという事になります。
- 即座に引き落としされるので支払い忘れがない
- 銀行口座と紐付いているのでお金の管理が簡単
- デビットカードは基本的にクレジットカードと使い方は一緒
ポストペイド(後払決済)
料金を後で払う形のポストペイドはいわゆるクレジットカードの事を想像して頂ければわかりやすいと思います。
間にクレジットカード会社が入って一時的に立て替えてくれる事により、僕ら消費者は支払日の口座引き落としを待てばOK。
クレジット(信用)によって成り立つので、中には携帯電話の格安Sim等ではクレジットカードが無いと利用できない形式のサービスもあります。
クレジットカードはご存知の通り後払い決済で、分割払いやボーナス払いと言った多彩な支払い方法が用意されているので使い勝手は最も良いと思います。
ただし分割払いの中でもリボ払いは特に注意が必要で、かなり高い金利を支払う事になる事もありますのでしっかりと金利の計算をする必要があります。
反面しっかりと使えばポイント制度で最もお得なのがクレジットカードなので、どうすればお得であるのかしっかりと見極めたいですね。
また、大手携帯会社には少額ではありますが携帯料金と一緒に引き落としが出来るポストペイド決済が用意されています。
いわゆるキャリア決済ですが、主に携帯電話向けコンテンツ等を中心に利用ができます。
更にiDやQuickPayという電子マネーはクレジットカードを通した後払決済です。
最近ではiPhoneにクレジットカード情報を登録し、iPhoneをかざせば決済が出来るApplePayがありますが、これもクレジットカードを登録しiDやQuickPayを通してApplePayとして決済する、という方式です(ちょっと分かりづらいですが、そういうものだと思って下さい・・・笑)。
- クレジットカードでしか受けられないサービスもある
- クレジットカードのポイント制度が最もお得になる可能性が高い
- ただしリボ払いには注意!
- 携帯電話向けコンテンツならキャリア決済も対応
自分はどの方法を使えばいいの?
さて、大きく分けて3種類のキャッシュレス決済方法を簡単に解説しましたが、ではどれを使うのが一番良いのでしょうか?
本当は◯◯です!と答えてあげたいんですが、実はこれ凄く難しいです。
というのもあなたがどこに住んでいてどんな方法で通勤していてどんな携帯電話を持っていて日常どんなお店を使ってどんな趣味を持っていて、と全てを知る必要があるからです。
例えばJR東日本圏外の方にSuicaを勧めても全く意味無いですし、格安Simを利用されている方にキャリア決済を勧めてもそもそも利用できません。
ライフスタイルによって最適解は変わってくるので一概にこれ!とは言えないんですが、あえてあげるとしたらそれはクレジットカードでしょう。
クレジットカードが一番お得?
先述したように、クレジットカードが最もお得になる可能性が高いです。
まずプリペイド型はチャージ限度額が少額なので、小さな買い物ならOKですが大きな買い物には向きません。
ポストペイド型のキャリア決済も最大10万円程度で同上です。
そうなるとリアルタイム型のデビットカードかポストペイド型のクレジットカードの二択ですが、基本的にクレジットカードの方が還元率が高いです。
主なデビットカードの還元率は0.2%~0.5%程度で、楽天デビットカード(JCB)が1%とデビットカードの還元率ではトップクラスです。
更にソニー銀行は銀行の取引状況に応じて最大2%になるんですが、そのためには外貨預金や投資信託の残高が1,000万円以上必要なのでちょっと現実的ではありません。
対してクレジットカードは主要カードの最低ラインが1%程度、デビットカードに比べ少し底上げされています。
それとは別に期間限定でのポイントアップや、例えば楽天カードであれば楽天市場での買い物が優遇されたりと一般的にデビットカードに比べ還元率が高いチャンスが多いです。
決済機会の多さでもクレジットカードは一歩抜きん出ている印象です。
例えばデビットカードは一部を除いて継続引き落とし系(月額会員費等)が使えない事があります。
同じように一部を除いてガソリンスタンドでの給油決済に使えなかったりします。
電子マネー系はセブン&アイ・ホールディングスのイトーヨーカドーやセブンイレブンでnanacoが使えるけど、イオン発行のwaonは使えないという事が結構あります。
それに引き換えクレジットカードは基本的にVisa/JCB/Mastercardのどれかを持っていればほぼ決済が出来るので全国的に地域差なく決済が出来ます(当然Visa/Mastercardは対応しているけどJCBだけダメ、みたいなお店もあります)。
そう考えると、クレジットカード以外をメインの決済手段にする理由があまり見当たりません。
もし日常電車通勤でSuicaやPASMO等を持っているならそれを使う、ぐらいでしょうか。
という事で上記の理由から、”あえてあげるとすればクレジットカード”としたいと思います。
クレジットカード導入でどれだけお得なの?
ここで気になるのはクレジットカードを導入することでどのくらいお得になるのか。
凄く簡単に例をあげてみます。
今全て現金払いをしている人がいたとして、
食費 | 30,000円 |
携帯電話代 | 10,000円 |
公共料金 | 10,000円 |
定期代 | 10,000円 |
インターネット代 | 5,000円 |
その他生活費 | 20,000円 |
合計 | 85,000円 |
こんな感じの生活を毎月送ったとします。
例えば還元率常時1%の楽天カードを使ってこれらを決済すると、
85,000円 × 1% = 850円
1ヶ月で850円お得になる訳ですね!
更にこれが1年間になると
850円 × 12ヶ月 = 10,200円
なんと年間10,000円以上変わってくる計算になります。
もちろんこれにはポイントアップ等一切考慮していないので、上振れる事もありますね。
年間1万円を節約するのってめちゃくちゃ大変なんですが、支払い方法を変えるだけで1万円増えるとしたら凄くお得感がありませんか?
環境によっては家賃という大きな固定費の支払いにクレジットカードを使える賃貸物件もあるので、その場合もっと大きな還元を受けられる事になります。
キャッシュレス決済は迷ったらクレジットカードが最有力
キャッシュレス決済の方法についてお伝えして来ましたが、とりあえず迷ったらクレジットカードが最もお得になるケースが多いです。
クレジットカードは利用方法によってお得感が大きく違いますし、自分に最も適したクレジットカード探しというのは中々難しいです。
また、現在Suica等の電子マネーに慣れている方であれば新しくクレジットカードに移行するのは抵抗があるかも知れませんが、しっかりと知識をつけて選べばもっとお得にもっと便利に使えます。
様々ある決済方法ですが、目的はあくまで決済をする事。
決済方法の多さに惑わされず、適切な良い選択をして利用して行きたいですね!