少子高齢化が進む昨今、例えば年金や保険は支える若者が年々減り高齢者が増え「定年まで働けば後は国が面倒を見てくれる」と言う楽観的な見方はできなくなってきました。
年金の受給年齢は60歳から65歳に引き上げられ、高齢者の医療費負担を増やさなければならないのではないか?と言う議論は常にあります。
また、消費税も5%から段階的に引き上げられ、2019年10月からは遂に桁が増え10%を迎えます。
そんな中ここ数年急激に関心が高まっているのが資産運用。
投資というとすごくハードルが高く感じますが、徐々に投資を始めて資産運用をして将来に備える方が増えています。
投資を始める前に考えたい、本当に投資を始めるべき?
投資というとほとんどの方が株式投資や投資信託を思い浮かべるかと思います。
僕も現役の個人投資家なので株の売買や投資信託の積み立て等色々行っていますが、やはり年々「私も投資を始めたいんだけど・・・」という相談を頂く機会が増えています。
もちろん投資を通じて自己の資産を増やそうという考え方は素晴らしいと思います。
しかしそういう相談をしてくる友人の話をよくよく聞いていると、正直投資をやる前にやる事あるよね・・・と思うこともしばしば。
では投資を始める前にやるべき事とはなんでしょうか?
投資を始める前チェックリスト
実際に僕が聞いた友人の話を中心に、投資を始める前にまず考えて頂きたい事を上げていきたいと思います。
貯金習慣なし!余ったお金は消費してしまう
一番多かったのがこれ。
とにかく貯金をする習慣がなく、余ったお金は大体何かに消費してしまい通帳の残高は常に10万円以下。
毎月の家賃や通信費といった固定費を除き、食費や交際費といった流動性のある出費を差し引いた後残った金額はしっかり貯蓄に回せる人は実は少数。
人間欲に流されやすい生き物なので、やっぱりどこかで消費しちゃうんですよね。
偉そうに言っていますが僕も例外ではなく、かなり消費家です笑。
でも僕の場合は消費するお金以外に毎月きっちり資産運用に回す分も確保しているので、やはり月々少額でもそういう意識ができると将来莫大な金額で結果が変わってきます。
貯金がないという事は万が一怪我や病気で働けなくなった時に不安ですし、結婚式等の急な出費にも中々大変な金策を必要とします。
「来月友達の結婚式があるから余裕がない」
このような状況は残念ながら投資を始めるラインに立っていないと言えます。
常にリボ払い・・・残金が減らずリボ地獄
次いで多かったのがこれです。
リボ払い、便利ですよね。
高いバッグも高級ディナーも手元がお金にない状態で楽しむことができます。
支払いは毎月数千円〜1万円程度でOK。
このリボ払いで借金から抜け出せないリボ地獄にハマっている人は正直めちゃくちゃいます。
リボ払いは金利が高く、数十万円の買い物クラスになると元金の返済もままならず月々の支払いの9割方が金利の返済であり、全く元金が減らないという方も・・・。
この状態で「投資をしたい」と相談を受けてもとてもアドバイスなんてできません。
唯一言えることがあるとすると「少しでもリボ払いの元金を減らそう」という事のみです。
リボ払いや分割払いは上手に使えば便利な制度ではあるんですが、使い方を誤ると一気に財政状況を悪くする危険もあります。
家計状況が分からない
上記の方々と被るんですが、まだ投資を始める段階ではない方のほとんどが現在の自分の家計状況を把握していません。
例えば家賃等の固定費は計算が簡単ですが、物価によって価格の流動性が大きい食品や忘年会・新年会シーズンと言った飲み会が増える時期の交際費なんかはその月によってかなり変動がありますよね。
こういう流動性がある出費が把握できていないという事は、月々自分の家計が黒字なのか赤字なのか、そもそも投資を始める資金を捻出できるのか?
そういう把握が一切できません。
そして「家計の把握はしていないけどなんとなく毎月貯金額は増えているよ〜」という方は自然に貯蓄意識がある方です、多分少数派で優秀な方ですね笑。
ほとんどの方は「家計状況は分からないし、貯金も増えていない」に該当します。
やはり何事も”現状把握”がとても大切で、今の自分の状況を客観的に判断できる情報がないと次のステップへ進むのは非常に難しいです。
そしてこういう状況下で無理矢理投資を始めても、結局今度は家計が回らなくなるので投資から遠ざかってしまいます。
投資を始めるには?まずは家計状況を把握しよう
そこで始めたいのが基本的な事ですが自分の家計状況を把握する事。
先述したように、まずは自分が今どういう状況なのかを客観的に把握する事が必要です。
貯金が出来ている、出来ていないに限らず客観的に数字を見る事で冷静になれますし、そういうデータが積み重なっていけば今後の道筋も建てやすくなります。
とは言っても正直家計簿ってめんどくさいですよね・・・笑。
そこで僕が相談をしてきた全員にしているアドバイスをそのままお伝えします。
- 投資を始める前に家計状況の把握をしよう
- 家計簿は面倒。代替手段を取り入れよう
家計把握の準備!いますぐ始めて家計のデータ化
まず家計を把握するために必要な事はきっちりデータ化してしまう事。
手書きの家計簿はオススメしません、あれはきっちりできる人ならともかくそうでない人は秒で飽きます。
自慢じゃありませんが僕はめちゃくちゃ苦手です、何回も家計簿を購入した事はありますが3ヶ月以上続いた試しがありません・・・笑。
そこでデータ化のために是非導入して頂きたいのが自動家計簿ソフト×キャッシュレス決済です。
自動家計簿ソフトの導入
まずはこれ、自動家計簿ソフトの導入です。
家計簿って本当面倒で、レシートを並べて電卓片手に月の出費をまとめて家計簿に記載・・・
このデータ化社会に置いて全くスマートじゃありません。
そこで活用したいのがマネーフォワード。
マネーフォワードはオンライン上の家計簿で、パソコンはもちろんスマホでも専用Appを使って非常に簡単に家計簿作成ができます。
もちろんデータ化されているので、例えば先月と比べて出費が増えたとか昨年同月と比べてどうか、のような比較もめちゃくちゃ簡単に行えます。
データ化する事で複数のデータの比較が出来る点は紙の家計簿に比べて優位性がある点ですね!
更にマネーフォワード最大の特徴は、銀行口座やクレジットカードを紐づけて自動で家計簿をつけてくれる点です。
つまりクレジットカードでお買い物をすれば自動で家計簿づけが完了、自分で計算する手間はもう必要ありません。
キャッシュレス決済の導入
そこで次に取り組んで頂きたいのがキャッシュレス決済の導入。
マネーフォワードと組み合わせて使う事により真価を発揮します。
キャッシュレス決済と一言で言っても色々種類がありますが、可能な限り多くのお店で決済出来る種類がオススメです。
だってキャッシュレス決済を導入してもお店で使えなかったら意味がないですからね。
個人的にオススメなのはクレジットカードと交通系電子マネーです。
両方とも使える加盟店の種類が多く、どちらも非対応で他のキャッシュレス決済にのみ対応しているという事はかなり稀です。
では何故キャッシュレス決済を絶対に導入した方がいいかと言うと、現金で買い物してレシートを貰うと言う行為に比べて100%データ化され扱いやすいですし、総額の把握や家計簿作成が非常に簡単だからです。
極論を言ってしまえばレシートは無くしてしまえば証明しようがありません、後は自分の記憶だけが頼りです。
それに比べてキャッシュレス決済は決済提供会社という第三者を通すので、100%決済履歴が残ります。
クレジットカードや電子マネーの決済履歴はそれぞれ提供会社のサイトで履歴を確認できますが、一覧表示されるので見逃しがありません。
クレジットカードは使いすぎが心配・・・?
よく「クレジットカードは使いすぎが心配」という声を聞きます。
これ冷静に考えて頂きたいんですが、現金は物理的に上限があるので使いすぎが出来ないという言い分は理解できます。
ただクレジットカードは現金決済と比較して100%現実を突きつけられる事になるので、むしろ現金決済よりシビアです。
なんとなく使ってレシートの家計簿づけもせずなんとなく毎日を過ごしているよりも、例えば週に1回ぐらいで良いのでクレジットカードの明細を確認するだけで意識はだいぶ変わるはずです。
重要なのはクレジットカードを借金と考えるのではなく、毎月精算の手段だと意識を入れ替える事。
個人的にはクレジットカードをしっかり使いこなす事が投資の入り口ぐらいだと思っていて、周りの個人投資家にクレジットカードを持っていない人など1人もいません。
クレジットカードはポイントも重要!
クレジットカードの導入で家計の見える化がやりやすくなりますが、おまけ的な要素としてクレジットカードのポイントでの還元が挙げられます。
クレジットカードは一部のカードを除いて決済金額に応じてポイントが貰えて、このポイントは現金化出来る事は少数ですがクレジットカードの引き落とし額から割引を受けられたり航空会社のマイルに変えられたりと還元を受ける事ができます。
現金からクレジットカードに変えるだけで事実上出費が減る事になるので、このポイント制度は絶対に見逃せません。
例えば楽天カードの場合、ポイントで直接楽天証券の投資信託が買える制度もあります。
おまけとは言いますが、実質的に家計の負担を減らして資産運用資金を増やす事ができます。
年会費は無料のカードがオススメ
まずは年会費無料のクレジットカードがオススメです。
一般的にステータスが高いとされるゴールドカード以上のクレジットカードやハイステータスを売りにしているクレジットカードは年会費が掛かりますが、年会費が高いカードは付加価値(ベネフィット)が充実しているものが多いです。
もちろんそのベネフィットを年会費分以上活用できるなら良いのですが、家計見直しに必要なのはまず決済をまとめて家計を見える化する事とポイントを活用してお得にする事。
なので特に欲しい!というカードが見つからなければまずは年会費無料で高還元率のクレジットカードがオススメです。
例えば還元率が1%の楽天カードやJCB Wカード等が候補になってきますね!
リボ払いはNG!
止むを得ない事情がない限りリボ払いはNGです。
先述した通りリボ払いは高い金利を払う必要があるため、最初はちょっとの気持ちで始めたリボ払いが家計を苦しめる話は日本全国どこでも聞きます。
なのでまずはリボ払いは利用しないようにする事が最も大切です。
なお一部のクレジットカードにはリボ払い専用カードや、リボ払いが自動で設定されているようなクレジットカードも存在します。
リボ払いは先述したように上手に活用すれば便利なサービスですが、月々の出費全てがリボ払いになってしまうようなクレジットカードはよく考えて利用したいところですね。
マネーフォワードとクレジットカードで家計の見える化
- マネーフォワードで家計簿を自動化!
- クレジットカード等のキャッシュレス決済で100%データ化!
- 両方を使って簡単に家計把握&改善!
先述したマネーフォワード、そしてクレジットカードの導入で家計の見える化が嫌でも出来るようになりました。
これは本当にシビアで、無駄遣いをしてしまったらデータに如実に現れます。
クレジットカードだけではなく銀行口座を紐づけておけば貯蓄額も一発で分かります、データは嘘をつきません・・・笑。
しかし家計の見える化を実施し、自分がいくら投資する余裕があるのか。
それをしっかりと把握しておくことが投資への第一歩です。
くれぐれもどんぶり勘定で投資を始め、生活が苦しくなるような本末転倒な自体に陥らないよう正しい知識をつけていきましょう!